2019年9月30日
9月10日、沖縄科学技術大学大学院(通称OIST)にて、沖縄県戦没者DNA鑑定に関する会議を行ってきました。
参加者
1アレキサンダー・ミケェエブ教授(OIST生態・進化学ユニット)
2末永美由紀(OIST生態・進化学ユニット)
3チャペル・沙織(OIST生態・進化学ユニット)
4具志堅隆松(戦没者遺骨収集ガマフヤー代表)
5野口剛(野口健沖縄戦没者遺骨収集グループメンバー)
6西島恵歴(野口健沖縄戦没者遺骨収集グループメンバー)
7篠原佑无(OIST事業開発セクション)
8佐藤奈緒美(OIST事業開発セクション)
沖縄科学技術大学大学院生態・進化学ユニット研究室の教授や戦没者遺骨収集を行っているNPO団体メンバーなど8名が参加し、現状の報告と今後の見通しなどの意見交換を行いました。
ミケェエブ教授から「DNA鑑定は近年技術的にレベルが上がり、鑑定で一致すると認められる確率がより高いものになっている。この技術を使う事で過去の痛ましい戦争で命を落とした方の身元を調べる事ができ、我々が亡くなった犠牲者にできる御返しでもある。」とのお話しがありました。
ミケェエブ教授は、ロシアにてIgor Kornieko氏(ロシア科学アカデミー、サザンフェデラル大学所属)との共同研究で新たな技術によって、第二次世界大戦遺骨の遺伝子同定に成功しており、また、犯罪事件における犯人特定への調査などにこの技術が役立てられています。
沖縄科学技術大学大学院としては、沖縄県戦没者遺骨からのDNA性質の調査をするとともに、戦没者の親族を探す沖縄の家族のDNAデータベースの樹立に取り組むことによって、遺族の特定などにつなげたいと希望しています。
これらの研究により、戦没者遺骨がご遺族の元に戻り、供養されることは私どもとしても、願ってもないことです。
しかしながら、一番の問題は、法律上可能なのかということです。
私どもが、遺骨を発見した場合、警察・県・市町村・遺骨情報センター含めた行政へ通知し速やかに引き渡しを行っています。研究室へ遺骨を預ける場合は、沖縄県や厚生労働省の許可が必要となってきます。また、沖縄科学大学大学院は、DNA鑑定調査をする指定大学となる必要があります。大学側は、これらが可能となるよう行政との協議を行っています。
大学側がこれらの許可を得ることができましたら、この活動にも、その先の未来が開けると思っています。1人でも多くのご遺骨が遺族のもとに戻れるよう、私どもも出来る限りの協力をしていきたいと思います。