2022年10月24日
サマ村にて実施している「ヒマラヤに森をつくろうプロジェクト」は、2016 年に私たちピーク・エイドとネパール山岳救助訓練財団 (MRTFN)、サマ村を拠点とする NGO マナスル教育環境開発財団(MEED)との共同で行っています。MEEDは、サマ村の村人たちで運営され、森林プロジェクト、学校運営など、サマ村の保護、発展などを行っています。
プロジェクトを始めた当初は、「森づくり」の必要性も意味もあまり理解していなかった村人たち。エベレスト街道の村で長年植林活動を行ってきたアン・タルケ・シェルパを現地マネージャーとしてサマ村に迎え、サマ村での森林活動の基礎を整えてもらいました。プロジェクトを本格的に開始する前に、何度も村人たちに植林活動の必要性を説明し、理解を求めました。2015年にはネパール大地震が起き、各地で土砂崩れがあり、更に森林の持つ重要性が見直されました。アン・タルケ・シェルパは、サマ村に派遣されていた6年間で、村人に植林活動の技術やノウハウを伝授しました。今では、村人が中心に植林活動を運営し、植栽の時期などは、村人たちが総出で活動が行われます。
2016年に苗センターの建設から始まった森林プロジェクト。2016年から5年間で、マツ、モミ、カラマツなど51,000本の苗を苗木センターで育成しました。すべて、この地に生息している木々で、種を収集し苗を育成します。2年かけて苗木センタ―で育成した苗をサマ村内の植林地へ植栽していきます。2018年から2022年までに、45,000苗を植栽しました。放牧されている家畜のヤクから苗木を守るため、植林地にはフェンスの設置も行いました。
現在、苗木は活着率は全体としては、約85%。これは、山岳地域での植林活動としてはかなり良い結果です。特にカラマツは成長も早く、90%以上の活着率となっています。モミやカイヅカイブキは、成長はゆっくりですが、高い活着率で成長しています。
TAU地区
マツ TAU地区
モミ TAU地区
カラマツ TAU地区