2018年6月 4日
こんにちは。ピークエイド事務局です。
先日5月半ば、ヒマラヤ山脈の山麓で展開中の森林再生プロジェクト初の植栽をしました。
当日は代表理事の野口健と協力関係にある方々が現地を視察しました。
現地からの報告をもとに、活動の現状をまとめました。
写真の枚数が多いので、何回かにわたって、レポートしたいと思います。
まずは森林再生プロジェクトの概要からお伝えします。
森林再生プロジェクトとは
ヒマラヤ山脈の麓のサマ村の減少した森を再生しつつ、持続可能な環境保全と住民生活の仕組みをもたらす活動です。
活動の舞台はヒマラヤ山脈の奥地
活動の舞台は、ネパール、ヒマラヤ山脈マナスル峰の麓、標高3400mの小さな村、サマ村です。
村は首都カトマンズから北西に直線距離で150km弱のチベット国境近くに位置しています。
しかしながら、村までの道中は急峻な谷が続いているため、車移動1日+徒歩1週間必要です。
あとはヘリコプターが唯一残された移動手段です。
マナスル峰は、世界に14座のみそびえる8000m峰の一つで、日本人が唯一初登頂を果たした山です。
戦後間もない1956年の登頂は、日本に勇気をもたらし、登山ブームの一つとなりました。
村から迫力あるマナスル峰を見渡せるほど、村は峰の近くに位置しています。
そのため、マナスル峰に挑む登山者が立ち寄る場所であり、当時の日本隊はサマ村の住民にお世話になったそうです。
日本人として恩返しをしたい
サマ村との交流は、代表の野口が2006年、マナスル峰に挑戦を機に現地を訪れたことがきっかけでした。
野口は、日本人としてサマ村に恩返しをしたい気持ちから、これまでピークエイドの活動で、清掃活動や小学校の宿舎建設などに取り組んできました。
のちに野口は、サマ村の森が減少していることを知ります。
サマ村は奥地に位置し、今も物資の調達が難しい現実があります。
そのため、これまで村の森は、薪や売買、年々増加するトレッカー用に作られた山小屋の木材として、伐採されてきました。
しかしながら、植林の不在や代替エネルギーの不在などによって、供給が需要に追いつかず、サマ村の森は衰退を続けてきました。
活動のゴールは持続可能な社会
私たちの活動のゴールはいくつかあります。
まず現存している天然林を守ることです。
同時に持続利用可能な森林活用の仕組みを現地にもたらして、地域の環境を守りつつ、村人の生活を両立させることです。
このゴールを目指すにあたっては、代替エネルギーを探すなど、森づくりだけでない活動が必要です。
そして、サマ村の活動を成功させて、同様の課題を持つ他の地域のモデルケースになることです。
次回は、育苗の状況についてお伝えします。