2017年10月 1日
9月28日、29日に開催した遺骨収集活動について報告します。
初日、9月28日
糸満市与座の豪で総勢25名が活動に取り組む。豪には、我々が沖縄で活動を始めて以来、最大量の火薬が広がっていた。そのため遺骨情報センターは、この豪を工兵豪と考えている。念のため、我々は豪の中で蚊取り線香の使用を禁止した。初日の活動は、豪の中で落盤した石を運ぶ作業で終了した。狭い豪に入りきれなかった他のメンバーは周辺豪を探索し、二つの穴を発見した。どちらも縦穴式豪で深さ5メートルと8メートルほどあった。その後、活動許可を得るために、行政に連絡したが、活動不可の判断がおりた。
2日目、9月29日
昨日に引き続き、糸満市与座の豪で21名が活動し、豪内にて遺骨を発見した。そのため糸満警察地域課の巡査部長、糸満市教育委員会職員、遺骨情報センター職員を呼び、状況報告をおこなった。刑事課の警察所員不在の為、事件性の有無確認は後日となる。遺骨以外にも不発弾を豪近辺で発見したため、自衛隊に報告し、回収を依頼した。発見した遺骨は、30日に遺骨情報センター所員から連絡があり、戦没者である事がわかった。
野口健メッセージ
沖縄県糸満市にて遺骨収集活動を行っていました。約10年前からスタートしたこの活動。僕の活動の中でも特に大切にしたいと感じています。「国の為に亡くなっていった方々に対し冷たい国は滅びる」と思うのです。
戦争を美化するわけではなく、しかし、いつの時代も社会のために命をかける人は大切。犠牲になった方々を見捨てる社会が公然となれば、誰がそんな社会の為に命をかけるのかと。遺骨収集は過去を振り返りながらも、これから先の日本を思えばこそ、続けなければならない活動です。
洞窟の中は物凄い湿度。掘り続ける活動ですが下着まで汗でずぶ濡れになる。そして肉体的なものではなく精神的にも過酷な活動です。この活動が続いているのも支えて下さっている参加者のみなさん。本当に感謝感謝。そして下見含め全ての段取りを完璧に準備して下さっている兄貴分の野口剛さん。野口剛さんがいなければこの活動はこれ程まで続いていません。野口剛さん始め参加者の皆さんに感謝です。沖縄遺骨収集情報センターの皆さんにもご協力頂いています。
今回も複数のご遺骨を発見しました。ただ、これはぼくの直観ですが、あの洞窟にはまだまだご遺骨が埋まっています。僕等が見落としたご遺骨が必ずあります。そう感じるのです。次回は必ず見つけ出したい。年明け、どこかのタイミングでまたあの洞窟に戻ります。