谷口けい冒険基金

REPORT同志社大学山岳部レポート3

2017年6月19日

未踏峰を撮る

そうこうしながらキャラバンを進め、目的の未踏峰へと歩みを進めていった。 そして、無事偵察拠点となるベースにテントを張り、周辺の尾根に登りながらどうにか写真を撮影しようと奮闘する。この未踏峰は、深い谷と5000mを超える尾根に囲まれており、なかなかうまく撮影することが出来ない。しかし、どうにか写真を持って帰らねばならない私たちは、谷を詰め、尾根を登り、やっと山の近景が写っている写真を撮影することが出来た。

(▲少し白い頂が見えているのが、目的の未踏峰)
(▲目的の山へと続く尾根)

なんとか、これで山の存在を認めて貰えるよう、話すしかない。少し先行きに不安になりながらも、今回の偵察行のクライマックスは終わった。しかし、この山の写真が少ない理由を、身をもって知ることが出来たことは収穫である。

現地での調査

また、今回の偵察行では、様々な現地の調査も行った。 冒頭でも書いた通り、この極西ネパールの地域はそもそも人があまり入っておらず、知られていないことが多く興味深い。

(▲冬虫夏草。この辺りでは、大きな収入源 となり一大経済圏を築いている。)
(道の聞き込みをしている。)

上記の冬虫夏草にまつわるお話は、興味深いことがたくさんあった。 また、極西ネパールでは、教育問題・女性差別・食料問題など解決されていない問題がたくさんある。これらの問題も含めた、文化的な調査を行うことも、必要であると考えている。しかし、文化と我々から見た諸問題とは、複雑で精密な関係にあり、今後の調査・報告は慎重にする必要があるとも考えている。

これから

5月下旬私たちは無事、カトマンズへと戻ることが出来た。帰りもバスなので、体調はすこぶる悪い。しかし、私たちはNMAのアンツエリン会長の元へ、偵察報告を行う為に向かった。そこでも下手な英語を必死に使い説明した。そして会長には、存在証明を認めていただいた。 まだまだ未踏峰への道のりは長い。しかしそこには、誰もが知らない事や誰もが知らない文化、何より誰もが登ったことのない山が広がっている。際限のない未知の連続がある。だから、私たちはこれからも「未知未踏」を目指す。 今後とも、皆さまのご支援をよろしくお願いいたします。

同志社大学山岳部

極西ネパール登山隊 隊員一同

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