2017年3月31日
ヒマラヤ大震災基金で再建を目指しているネパール、シミガオンのゴンパ(お寺)再建プロジェクトの進捗状況についてご報告します。 当団体は、ネパール全土に未曾有の被害をもたらした2015年の地震で全壊となってしまった、シミガオンのゴンパ再建を目指しています。ゴンパの設計は、世界的な建築家であり、世界各地での災害時における支援活動を数々行われている、坂茂先生に携わっていただいています。
再建現場のシミガオンは、ネパールのロルワリング地方の入り口に位置する山間の小さな村です。シミガオンとは、ネパール語でシミ=インゲン豆、ガオン=村を意味します。首都のカトマンズから村までは、直線距離で100kmほどですが、曲がりくねった道路が続くため、村から最寄りの車が走る道路まで8時間かかり、さらに3時間歩く必要があります。村にはおよそ120家族が生活を営んでいます。
シミガオンまでの道中。2015年夏
シミガオンまでの道中。2015年夏
シミガオンまでの道中。2015年夏
震災で潰れてしまったゴンパ
今月3月14日、現地シミガオンにて、打ち合わせを行いました。これまで関係者がカトマンズ市内で打ち合わせをすることはありましたが、坂設計事務所を含んだ現場での打ち合わせは初の開催となりました。
シミ村の全景。写真中央の青い屋根のあたりにゴンパを再建予定。
打ち合わせには、下記のメンバーが参加しました。 坂設計事務所、原野さん シミガオンのゴンパ再建委員会3名 シミガオンの村民およそ80名 当団体、小島
打ち合わせでは、村人との顔合わせ、原野さんによる建築家の観点からみた状況把握、今後のスケジュールの確認を主に行いました。実際に現場を訪れることによって、これまで想定になかった土壌を掘り下げる必要性や、今までの打ち合わせで問題ないとされていたモンスーン時期の作業が難しいということなど、実際に現場を訪れて、初めて判明したことがありました。 打ち合わせを踏まえ、今後のスケジュールは下記を予定しています。 5月 土壌整備 6月〜8月 モンスーンシーズンのため作業中断 9月〜 建築開始
村人の代表から「2015年の地震以降、毎日のプジャ(お祈り)に欠かせないゴンパがなくなってしまい、同時に村人が集まる場所もなくなってしまいました。再建を楽しみにしています。」と挨拶がありました。別れ際にも、何人もの村人から、握手した手に額をつけながら「ありがとうございます」と言っていただき、また"カタ"とよばれる歓迎や感謝の意を表すスカーフや、現地ではラリーグラスと呼ばれる石楠花のプレゼントがありました。
当団体では、シミガオンの村人の心の支えであるゴンパの再建に向けて、尽力します。宜しければ今後もご支援いただければ大変幸いです。