マナスル基金

REPORTキャンプ1での生活

2006年5月 2日





  4月30日、午前11時半、野口、平賀カメラマン、シェルパ2名はキャンプ 1目指してベースキャンプ出発。なかなか出発したがらない我々に谷口けいさんが「ほら!ケンさん、そろそろ出発でしょ!早く準備したら!」とせかされ、平賀淳君と顔を合わせ「明日でもいいんだけどなぁ~」なんてだだこねていたら、「ダメよ!ハイ、頑張ってきてね!」といつでもどの時代でも決定権は女性にあり、男のささやかな抵抗などなんら意味を持たないまま僕と淳君はベースキャンプを後にした。午後4時キャンプ1着。夜は日本から持参した乾燥食品にお湯を入れて頂いたが、これがまたまた美味しい。特に尾西食品の五目御飯が大好物。しかし、寝袋に入ってからが大変。酸欠の影響なのかなかなか寝付けない。隣の淳君のテントからは「ゲー」と吐いている音がし、翌朝、寝不足のままテントからでれば、顔を浮腫ませながら悲しげな淳君が寝袋に入ったまま僕をジーと無言のまま見つめていた。彼の壮絶だった夜を物語っていた。





  5月1日はキャンプ2に向かう予定だったが、朝から不気味な筋雲が姿を現しマナスル山頂付近は強風により雪が飛ばされ、これは天候崩れるぞ、ともう一泊キャンプ1に泊まることになった。午前11時過ぎ、シェルパ達と小西さん、谷口さんがキャンプ1に到着。予定ではみんなでキャンプ2に上がる事になっていたが、やはりキャンセル。午後からは大雪、強風となり、しだいにゴロゴロゴローと雷の轟音が響き渡り、その瞬間にテントの外にいたら、被っていたニット帽がチリチリと音をたてたと思いきや脳天がビリビリーと痺れ倒れそうになりながらテントに飛び込んだ。次の瞬間に谷口けいさん、「痛い、痛い、痛い」と頭を抱えながらやはりテントに飛び込んできた。スコップで雪堀をしていたシェルパも頭から左腕に電気が流れたと驚いていた。ピッケルやカラビナなどの金属をテントからほうり投げ、雷が通り過ぎるのをじっと怯えながらテント内で非難した。後に聞けば以前にマナスルのキャンプ1周辺で落雷により亡くなった登山家がいるとか。危なかった。日本でも登山中に落雷事故で亡くなるケースがあるだけに怖い。それにしてもあれだけ頭が痺れたわけで、後遺症はないのかなぁ。これ以上、悪くなりようもないのであまり心配していませんが・・・。夜中まで雪が降り続きました。



 5月2日、小西さん以外はみなベースキャンプに戻る。マナスル無酸素登頂を目指す小西さんは出来るだけ高所で順応しなければならない。小西さんは天候が回復すればキャンプ2を目指したいとシェルパ一名とキャンプ1に残ることになった。私のような有酸素登山と、小西さんの無酸素登山とではまったく肉体的なダメージが違う。小西さんは8000m峰14座全てを無酸素でチャレンジしているが、私には到底想像できない世界だ。ヒマラヤを知り尽くした小西さんから少しでも学びたいと思う。



小西さんがサマ村で板割りを披露してくれたので、今度は私が空手の回し蹴りを披露した。(これでも7年間ほど空手・少林寺をやっていた)雲の上でのまわし蹴り、後ろ回し蹴りは息が切れたが気持よかった。悪天候でなかなか予定通りに行かないが、それがヒマラヤ。いちいちカリカリしていたらきりがない。大雪が降ろうが、近くで雪崩が流れようが、どこかで楽しんじゃえばいい。せっかくはるばる来たのにストレス溜めてはそれこそもったいない。ベースキャンプに下り、田部井淳子さんにお会いしたら、「いや~凄い雪だねぇ~ 楽しいねぇ~日本ではこんなにゆっくり出来ないよぉ。」と満面の笑顔。世界の田部井淳子さんは余裕でした。

 

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