2024年2月26日
9000個以上の冬山用の寝袋などを被災地にお届け致しましたが、今だに寝袋に対するお問い合わせが多くその大半が「近々、避難所が閉鎖するので行き場がなく半壊した自宅に戻るので寝袋が欲しい」「避難所から出され車中泊に戻りますので」と...。
今日も50個ほど寝袋のご依頼を頂きましたが、避難所から在宅避難、車中泊避難に逆戻りされるケースが大半。
今回は今まで僕が経験した被災地と何かが違う。災害が発生してから二ヶ月間。在宅避難、車中泊されている方々の過酷な避難生活が今だに続いている中で、更にこれから増えようとしている現実。
また、指定避難所以外の場所への救援物資の支給は廃止になるとも...。
自宅が全壊または半壊し安全に住める状況ではない避難者は、仮設住宅が完成するまで市や町の指定避難所で生活できるものだと思っていました。
避難所は仮設住宅が完成するまでの「繋ぎ」だと。しかし、一部なのかもしれませんが、その大前提が崩れていないか...。仮にその大前提が崩れ去るようなことがあれば国家としての敗北を意味する。
メディアも過去の災害に比べ扱い方が小さくないだろうか。「能登は見捨てられちゃったのかな...」との声を被災地で耳にしたこともあります。「そんな事はないですよ。大丈夫です」とつい話してしまいましたが「僕は嘘をついていないよね」と暗闇の帰り道、ふと不安に襲われていた。
被災地から戻り僕が見てきた出来事の話をすると多くの人が「え!まだそんな状態なんですか!」と心底驚かれる。驚かれる度に「声が届いていない」と心がえぐれるように痛んだ。
災害が起きて一月半が経った頃に「今だに敷き布団がなくダンボール1枚に毛布1枚で寝ています。寒くて、寒くて、夜中に何度も目が覚めてしまいます。寝袋をお願いします」との訴えが寄せられた時には「この国は果たして本当に先進国なのか」と強く感じたのも事実です。