学校をつくろう

REPORT野口健×ターパ ゴダル ウパカル対談(ポカラ小学校再建計画)

2020年8月16日

ポカラの小学校の再建に関して、この小学校出身のターパ ゴダル ウパカル氏と対談を行いました。
ウパカル氏は、ネパール、ポカラの小さな村の出身で、地元大学2年生の時に、日本に留学しました。
悪徳ブローカーによる来日のだったため、学校や生活面でかなり苦労し、日本人への不信感などを抱くようになりました。苦労して、岡山県内の大学で学びながら、野口健の活動を知り、富士山清掃に参加。それ以降、野口健と交流を深めていきました。
2019年には、ランドセルプロジェクトとして、ウパカル氏の出身小学校で、同氏の父親が校長先生を務めている小学校にランドセルを届けました。 その際、かなり古く傷んだ校舎を見ました。 校長先生は、再建計画を立てていましたが、国や自治体の協力は得られず、
なかなか再建ができない状況にありました。
今年、ピーク・エイドでは、寄附を募り、この小学校の再建を行うこととしました。

2019年10月対談

野口 ウパ君とは、知り合って、もう、何年になるかな?富士山清掃に参加してくれたのが初めての出会いだよね。

ウパ はい。2014年の富士山清掃に参加して、初めてお会いしました。ただ、僕は、その前から、ずっと、野口さんのことは知っていました。

僕は、日本で勉強がしたくて、来日したんですけど、悪徳のブローカーを通じて、来日してしまったので、約束と違っていることばかりで、生活とか、学校のことで、とても、辛い日々を送っていました。アルバイト先でも、差別を受けたりして、日本を嫌いになっていました。ネパールに帰りたくて、仕方がなかった。
そんな時に、ある人から、野口健さんの本をいただいたんです。登山家の野口健さんという人が、ネパールで、環境問題とか教育支援とかやってくださっているというのを知って、すごく救われました。
それをきっかけに、もう一度、僕も頑張ろうと思ったんです。

野口 初めて会った時のことは、よく覚えているよ。日本語がすごく上手で、大学で書いた立派な論文を見せてくれたよね。優秀な人が日本に来てくれたんだなと嬉しかったよ。それから、定期的に富士山清掃にも参加してくれたり、講演会にも来てくれたよね。

いつか、ウパ君の故郷にも行ってみたいと思っていたんだけど、去年、ランドセルプロジェクトで娘の絵子と訪れることができた。あの小学校ができたの、何年くらい前?

ウパ 学校は、30~40年くらいまえです。僕が卒業するちょっと前、5~6年くらいまえに、下の施設を作りました。ピンク色の施設は、僕が在学しているときににドイツ人のプロジェクトで作ったものなのです。入口からトタン屋根があって、ずっと続いているんです。事務所(職員室)があって、2階がパソコン教室小さい子供たちが部屋の中でも遊べるような部屋も作りたいんです。

野口 ここ、人工芝のグラウンドがいいかもね。土のグラウンドだと、雨季とか泥がすごいでしょ。人工芝は費用いくらかな?

ウパ 屋外用のカーペットとかいろいろあるけど、高いやつは本物の芝みたいやつです。

野口 人工芝だと雨が降っても泥にならないからいいね。それと、教室内は日本のように上履きにしたらいいね。校舎の中が汚れないから。日本の学校は、とても衛生面に気を使っているんだよね。校舎の内外に、水道もたくさんあって、手を洗う習慣をつけさせている。そういうのも取り入れていったらいいと思う。工事の業者は決まってるの?

ウパ 業者は、ポカラに住んでいる、信用できるエンジニアの友人です。彼は、今、橋を作っているのですが、彼に任せたいと思っています。4月末から5月くらいにはできたらいいです。だいたい、工期は、4か月くらいと言われていますけど、ネパールなので、半年くらいかかる場合もあります。ネパールは先にお金がないとスタートできない。後払いというシステムがないのです。父が、校長先生だったのですが、人事異動があり、異動してしまったのです。妹がここから10分くらいのところの学校で働いています。

野口 ウパ君はこの小学校を卒業して、ウパ君のお父さんが長く務めていたんだよね?

ウパ ここは、公立の小学校ですが、父が30年くらい、この小学校の先生をやっていました。昔から、カーストの風習が強く、カーストの低い家の子は、学校に行けないんです。特に女の子は、学校に行ってはいけない。学校より、家の手伝いをしろと言われます。大人になって、結婚しても、家の事をやっていて、外に出ることは、あまりない。そういう、考え、風習が未だに残っているのです。
しかし、現在では、男の子は、都会にも出ていくし、出稼ぎで海外に行くこともあるから、最低限の教育が必要だとなり、学校には行かせるようになりました。お父さんは、男女差別なく、すべての人が教育を受けていかないといけないと昔から言っていました。
そうなると、今度は、貧しくて学校に行けないというのが出てきて、学校の運営費を国が補助したりとなっていったのですが、
なかなか、それでもすべてカバーできない。きちんと通学を続けてもらうためには、周りからのサポートも必要で、資金の援助を集めながら、学校を運営し学んでもらっていった。今では、昔に比べるとそういう差別もだいぶなくなってきています。

僕もサポートしたいと思い、1度目の里帰りの時は、本とかを持って行きました。子どもたちの笑顔を見て、パワーもらって、もっと何かできないかなと思い、2回目の里帰りの時にお弁当箱をプレゼントした。それで、先生たちが毎月数百円ずつ寄付して、子どもたちに給食を与えてくれるようになったんです。

野口 この学校が無かったら、学校に行けなかった子もおおいんだろうね。

ウパ 周りにあるのは私立とかで、借金してまで行かせる親もいます。そうなると、私立に行かせられない親は、学校は高いものだと思い込み、公立の小学校にも行かせようとしない。

野口 お金がなかったりとか、教育に理解がない親のところに、学校から親に学校に来るようにアプローチもしたとか?

ウパ 親が教育を受けていないので、学校が必要だと思わないんです。だから、昼間は、子どもたちを教えて、夜は親を集めてナイトクラスとして勉強を教えたりもしていました。名前も書けなかったおじいちゃんとか、簡単な計算とかできて、喜んでいる。そうすると、だんだん、もっと子供にも教育が必要だなとかわかってくれるようになるんです。

野口 生徒は何人くらい?

ウパ 生徒は1年から8年生、50人くらい。基本的には村の子ども。歩いて30分~10分くらい。

野口 ネパールは、いまだにカーストの影響は大きい?

ウパ 田舎はまだまだ、影響が大きいですね。ポカラとか都会は、能力のある人、頭がいい人のほうが上という感じはあるんですが。

野口 今回の増設の一番の目的は?

ウパ せめて文字を書けるようにしてあげたい。発展途上国からはいあがれないのは、教育がないから。世界はこの村だけとマインドコントロールされている。ちょっと離れてみると、違う世界があるよと気が付いてもらいたい。ネパールだと、掃除をするとかは、カーストの低い人の仕事というのがあるけど、日本だと、社長さんが自ら会社の掃除したりもしている。それを見ると、まさに子どもからの教育が必要だなと思う。

野口 あの学校、照明も暗かったね。

ウパ そうなんです、暗いんです。今回は、環境をよくするためのリフォームです。体育館もないので、体育館みたいなホールを作りたい。健さん、ランドセルのセレモニーのときも、屋外で、暑かったですよね?

野口 すごく、暑かったなあ!6歳未満の子どももいるの?

ウパ 親が、家で面倒見るのが大変なので、お兄ちゃん、お姉ちゃんについていけと言って、小さい子供たちが学校についてきちゃうんです。それで、勉強している間、小さい子も遊んでいるんです。その子たちの遊ぶ部屋も作りたいのです。そうすると、学校が楽しいという意識になる。それで、小学校に入学するときは、次は勉強だよというようにステップを踏んでいける。そういうこともあり、学校に常設している保育園みたいのがあったらいいなと思うのです。

野口 相当古い校舎だよね。かなりガタが来ている。

ウパ 屋外はペンキ塗ったりしているのですが、校舎内は何も手を入れてない。机とか椅子とかも、ずっと同じものを使っています。
今回、机、いすなども変える予定です。照明、トイレも。

野口 トイレは、きれいにした方がいいよ。日本は、トイレ掃除など清掃は生徒が行っているから、そういう習慣にするのがいいよね。

ウパ トイレが出来たのも、僕が卒業した後ですからね。電灯はあるけど、あまり明るくない。電線を隣家から引っ張ってきて、電気を折半しているんです。なので、あまり学校で電気をつけると、ブレーカーが落ちてしまう。今回、学校だけの電線ラインを持ってきます。あとは、ソーラーパネルをおきたい。ネパールは、電気代が高いんです。業者が自由に値段を決められるんですよ。

野口 ソーラーパネルで天井のプロペラ(扇風機)を回すといいね。

ウパ 電気を節約しながらつかうのも、教育になります。

野口 ソーラーパネルで、蓄電ができるといいよね。

ウパ お父さんが人事異動で移ってしまったので、今は大人のナイトクラスはやっていないのです。この畑の土地を持ち主の方が、学校に寄附してくれたのです。

野口 この広場は、絶対に人工芝が良いよね。

ウパ 階段に座って、サッカーの試合とかみてるんです。

野口 泥対策をしないとね。カトマンズで人工芝よく見るから、適切なのがあると思う。

ウパ ありがとうございます。すぐに調べてみます。学校が出来上がるのが、とても楽しみです!

建設費用は、約1000万円ほどかかる予定です。コロナウイルスの影響により、寄付が計画的に集まりにくくなっております。皆様からのご寄付のご協力をお願いしております。

ご寄付の方法は、こちらより。

P6282254.JPG野口とターパ ゴダール ウパカル氏

DSCF1487.JPG

2009年4月、野口はランドセルを届けました。

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