2017年11月16日
プロジェクトの背景
約200世帯1000人が住むSama Gaunサマ村は、ネパール中央北部のGanzdakiガンザキ県 のGorkhaゴルカ郡のvillage development committee村落開発委員会(ネパールの行政の最小 単位)と呼ばれる村であり、またマナスル峰(標高世界第8位 8156m)の麓のNurbriヌブリ渓 谷に位置する。サマ村は標高3000m以上に位置し、またマナスル保護地域に属するため、そ の地理的要因により、サマ村はヒマラヤ山脈の中でもとくに孤立した村の一つである。車両によ るアクセスは不可能であり、唯一可能な移動方法は1週間ほどのトレッキングか、村人が滅多に 利用できないヘリコプターによる移動だ。
2015年4月25日マグニチュード7.8の地震がネパールを襲い、相次いだ余震により Gaurishanker Primary Schoolガウリシャンカール小学校の寄宿舎に大規模なダメージを与えた。 2015年10月、ネパール人エンジニアチームが建物の点検を行い、耐震構造を取り入れた再 建プランをたてた。
ピークエイドが資金援助を行い、現地のNGO、Mountaineering Rescue Foundation(MRTFN) とManaslu Environment Education Development Foundation (MEED財団)がコーディネー トした。MRFNはピークエイドと交渉を行い、MEED財団は2016年10月MRTFNと結んだ合 意により、現地での実際の活動の責任者となった。
2016年12月MRTFNはMEED財団に支度金をわたし、石、材木、セメント、砂、トタンなど の購入、また建築に必要な人員の雇用にあてた。2017年6月1日施工はスタートし、9月末 までの施工完了を目指した。2017年10月1日の完成式典を予定していたが、ピークエイド ならびにMRTFN職員が10月13日~16日にサマ村を予定したため、式典は10月15日に変 更となった。
完成式典
完成式典は予定通り10月15日にピークエイド事務局の小島、サマ村の代表的な僧侶Tsoknyi Rimpocheリンポチェを迎え開催された。またMRTFNからはThuketen Sherpaトゥクテン・シェ ルパとPasang Dawa Sherpaパサン・ダワ・シェルパが参加した。MEED財団のBir Bahadur Lamaビルバードル・ラマは25年間にわたる学校への貢献活動が認められ表彰された。
学校運営委員会と学校建設委員会はピークエイドとMRTFN、リンポチェ、その他の地元の僧侶や 関係機関を歓迎し式典を行った。式典では生徒や先生が伝統的なダンスを披露し、ピークエイド とMRTFNによる支援に感謝した。
式典でのスピーチで、パサンは今回のプロジェクトと森林再生プロジェクトを出席者の村人に説明 し、ピークエイドによるサマ村への貢献を強調し、「2006年マナスル遠征以来、ピークエイド 代表理事の野口はサマ村に親しみを持ち、その後、ピークエイドは2棟の寄宿舎を建設した。
ま た2012年の大雪でサマ村への道が孤立した時には、ピークエイドはヘリコプターをチャーター し、食料を配布しサマ村を助けた。
2015年4月25日の深刻な地震直後にはサマ村の多くの 家屋がダメージをうけ、ピークエイドは一時的なシェルターとして全家庭にダイニングテントを急 きょ配布した。
寄宿舎も地震によって深刻なダメージをうけたため、ピークエイドは再建すること を決定した。建設が無事終了し、今日の完成式典を開催にたどりつけ嬉しくおもう。」と述べた。
Sama Development Societyの代表理事Ula Jigme Lamaウラ・ジグミ・ラマは「野口さんがサ マ村の村人にとって親愛なる友人であり、サマ村に対しての愛情と支援はとてもありがたい」と 述べた。
リンポチェは「サマ村の人々は野口さんのような友人ができたことがとても幸運であり、持続的 な学校運営と校舎維持のため村人一人一人が責任をいだくべきだ」と強調した。 また彼は「5学 年のテストを合格したうちの5人をカトマンズのボーディングスクール(寄宿学校)で12学年まで 支援する」と約束した。
学校運営委員会の代表のKarma Lamaカルマ・ラマと校長のKumar Gurungクマール・グルン、 MEED財団の代表理事ビルバードルも合わせてスピーチでピークエイドの支援を歓迎した。
プロジェクトの成果
現在、寄宿舎は48人の生徒と2名の教師が使用している。多くの生徒はサマ村出身であるが、 中には近隣地域であるTsumツム渓谷とSirdhibasサーディバスの生徒もいる。