2018年6月 5日
毎日新聞の本日
NPO富士山クラブの「もりの学校」(山梨県富士河口湖町西湖)校長でアルピニストの野口健さんが5月17、18の両日、ネパールのマナスル(標高8163メートル)山麓(さんろく)にあるサマ村(同3500メートル)で初めての植林活動を行った。村民や日本の支援企業の関係者ら約50人が参加。モミやマツ、カラマツの苗木30本を植えた。
野口さんは2006年にマナスル登頂に挑戦。その際、サマ村の村民との親交が始まった。サマ村やその周辺では、薪炭利用や放牧で天然林が大幅に減少、森林破壊が進む場所では土砂崩れが頻発し、死傷者も出ている。このため野口さんは3年前に「ヒマラヤに森をつくろうプロジェクト」をスタート。苗床を設けるなどして健康な苗を育ててきた。
今年は3000本を植樹する予定で、20年までに計3万本の苗を植え、周辺地区のモデル事業を目指す。野口さんは「これだけ標高の高いところでの森林再生プロジェクトは僕らにとっても、村民にとっても大きなチャレンジ。時間はかかりますが、一歩一歩進めていきたいと思います」と話している。【七井辰男】