姉妹山提携

REPORTエベレスト、富士山姉妹山提携 発表

2014年6月 3日

 
 2014年6月3日(火曜日)、環境省の記者クラブにて「エベレスト、富士山姉妹山提携」と題し、記者会見ならびに調印式をおこないました。昨年来から野口健の呼びかけにより、民間ベースでエベレストと富士山の姉妹山提携について協議がすすめられてきました。

 そして、このたび日本側は野口が理事長をつとめるNPO法人セブンサミッツ持続社会機構とNPO法人富士山クラブ、ネパール側はネパール山岳協会、Himalayan Climate Initiative、Climate Alliance of Himalayan Communitiesが主体となり、両山の姉妹山提携の締結にいたりました。

 記者会見への出席者は野口健をはじめ、NPO法人・富士山クラブの理事長である奥島 孝康氏、そして、野口がヒマラヤ登山の際にかねてからお世話になっているアンツェリン・シェルパ氏(ネパール山岳協会会長)、プラシャント・シン氏(Himalayan Climate Initiative設立者)の4名でした。
 多くのメディアの方々にもお集まりいただき、提携内容の発表と質疑応答、そして調印式を無事に終えることができました。

 以下、本日付で配布した報道発表資料となります。記者会見と調印式の様子を撮影した写真とともにご覧ください。

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左からプラシャント・シン氏、アンツェリン・シェルパ氏、野口健、奥島孝康氏

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エベレスト・富士山姉妹山提携報道発表資料

1.概要

 2014年6月3日(火)環境省記者クラブにて、認定NPO法人富士山クラブ、認定NPO法人セブンサミッツ持続社会機構、Nepal Mountaineering Association(ネパール山岳協会)、Himalayan Climate Initiative、Climate Alliance of Himalayan Communitiesは、記者会見ならびに調印式をおこない、世界最高峰エベレストと日本最高峰富士山との姉妹山提携を正式に発表します。
 昨年来、両国の山岳環境保全や両国間の相互理解などのさらなる促進を目的に、民間ベースで協議をすすめてきました。私どもの調べでは、エベレストが姉妹山の提携を結ぶのは初めてのことになります。


2.姉妹山提携とは

 国際都市間の文化交流や親善を目的とした姉妹都市の山岳版です。姉妹山の定義は、姉妹都市と同じく特に法律で定められたものではありません。

3.経緯

 2013年、富士山はエベレストと同じく世界遺産(富士山は文化遺産、エベレストが含まれるサガルマータ国立公園は自然遺産)に登録されました。名実ともにエベレスト、富士山は歴史的、文化的、精神的な両国のシンボルといえます。しかしながら、両山は共通した課題をかかえています。たとえばごみ問題です。富士山クラブが過去10年間で回収した富士山のごみの回収量は年間平均60トンを超えています。

 エベレストでは過去の登山隊によるごみが今なお上部では多く残っています。また、オーバーユース(過剰利用)も共通した問題です。エベレストの入山料収入は年間3億円相当にのぼり、貴重な外貨収入源であるため、ネパール政府は入山規制をしていません。結果、年間500名以上が登頂を果たし、さらにその何倍もの人間が登頂サポートのために入山しています。

 富士山においても、夏期の登山シーズン (7月1日から8月31日)の2か月間だけで30万人前後もの人間が登頂し、オーバーユースが指摘されています。気候変動に対する提言も課題の1つです。ヒマラヤでの氷河湖の決壊や日本でのゲリラ豪雨など、近年、地球温暖化によると思われる事象が頻発しています。私たちが今後も地球と共存していくために、いまいちど社会に提言する必要があると考えます。
 これらの共通課題に取り組むため、私どもは昨年来より協議をすすめ、6月5日の世界環境デーを前に、本日、姉妹山提携の発表にいたりました。

4.姉妹山提携の主な内容

 山岳の環境保全活動に主眼を置き、両山での環境保全活動に関する情報やノウハウを相互に活用し、環境保全に結びつく実践活動、教育活動などをおこないます。また、広く社会に向けて両山の文化的、自然的、歴史的重要性について相互理解、関心を呼び起こすための取り組みをおこないます。
 
 具体的には、

 1 2015年春にエベレストと富士山を舞台に同時期に清掃

 2 提携団体間による人材交流、ヒマラヤでの森林再生事業

 3 将来的には、世界中の山々をつなぐ「姉妹山ネットワーク」を築き、交流の場を広げる予定。

5.姉妹山提携の実績

富士山クラブでは、下記の山々と姉妹山提携をおこなっております。

2003年 富士山とレーニア山(アメリカ合衆国)

2003年 富士山とナウルホエ山(ニュージーランド)

6.提携団体

 当姉妹山提携によるプロジェクトへの他団体の協力や参加については、両国の事務局が窓口となり、受け入れる体勢をととのえていきます。
 また、山梨県、静岡県、両国大使館、ネパール政府など公的機関による後援や協力を求めていく予定です。

7.提携団体プロフィール

a.認定NPO法人富士山クラブ

1998年設立。富士山の環境保全と自然保護を目的に、富士山全域で活動している市民団体。設立以来、ごみ拾い・外来植物駆除・森づくりなど年間6000人を超えるボランティアが参加する実践活動や出張授業などの環境教育プログラムを実施。アメリカ合衆国・レーニア山(マウントレーニア国立公園)、ニュージーランド・ ナウルホエ山(トンガリロ国立公園)とは、2003年に姉妹山提携し、市民による環境をテーマにした交流を続けている。
http://www.fujisan.or.jp

b.認定NPO法人セブンサミッツ持続社会機構

2002年設立。エベレスト、富士山などを舞台とした「清掃活動」、次世代を担う子供たちへの環境教育を目的とした「野口健環境学校」、登山ガイド中に亡くなったシェルパの遺児やヒマラヤ奥地•サマ村への教育支援を目的とする「シェルパ基金・マナスル基金」の3つのテーマを中心に活動をおこなっている。最近では、2014年4月にエベレストにて発生した16名のシェルパが亡くなった雪崩事故をうけ、10万USドルの寄付を発表した。
http://www.actions.jp

c.Nepal Mountaineering Association(ネパール山岳協会)

1973年設立。非政府、非営利そして非政治的な組織として、ネパールの山岳観光、登山スポーツ、山岳資源保護、山岳民族の文化的遺産保護や促進などに取り組む。ネパール政府以外に、ネパール国内の33の山の登山許可発行の権限をネパール政府から唯一認可されている民間団体。!
http://www.nepalmountaineering.org

d.Himalayan Climate Initiative

2011年設立。気候変動とネパール経済の共存発展と平和推進を目的とした、14人のネパール人起業家によって設立された非営利組織。
http://www.himalayanclimate.org

e.Climate Alliance of Himalayan Communities

2013年設立。ネパール政府に認可された非政府組織。ネパールを東西に1000km以上にひろがるグレートヒマラヤトレイルと呼ばれるトレッキングルートに沿う様々な地域を繋ぐネットワーク。ネパール奥地の持続可能な発展と気候変動の提言を目的とする。

8.記者会見ならびに調印式出席者プロフィール

a.奥島 孝康(おくしま•たかやす)
特定非営利活動法人富士山クラブ理事長。
1939年生まれ。早稲田大学14代総長(1994年~2011年)を務め、現在は早稲田大学名誉教授、ボーイスカウト日本連盟理事長、日本高等学校野球連盟会長、白鴎大学学長を務める。

b.野口 健(のぐち•けん)

特定非営利活動法人セブンサミッツ持続社会機構理事長。
1973年アメリカ生まれ。高校時代、故植村直己氏の著書に感銘を受け、登山を始める。1999年7大陸最高峰世界最年少登頂記録を25歳で樹立。2000年からはエベレストや富士山での清掃活動を開始。現在は、ヒマラヤ奥地•サマ村や登山ガイド中に亡くなったシェルパの遺児への教育支援にも力を注いでいる。

c.Ang Tshering Sherpa(アンツェリン•シェルパ)

Nepal Mountaineering Association(ネパール山岳協会)会長。
Climate Alliance of Himalayan Communities会長。
1953年ネパール生まれ。エベレスト初登頂に成功したエドモンドヒラリー卿が設立した学校に通い、その後エイシャントレッキングを創業。現在は、在ネパール•ベルキー名誉領事、国際山岳連盟名誉会員、エイシャントレッキング会長他を努める。

d.Prashant Singh(プラシャント•シン)

Himalayan Climate Initiative設立者。
1965年ネパール生まれ。ハーバード大学やオックスフォード大学にて教育を受け、世界自然保護基金在職中には、ネパールの気候変動提言のため、アメリカ•オバマ大統領を含む各国首脳に、氷河融解の象徴としてエベレスト山頂の石を届けるキャンペーンなどを展開。その後、ネパールの若手起業家とともにHimalayan Climate Initiativeを設立。

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