マナスル基金

REPORT隊員レポート:ベースキャンプからの便り
山にいること、そのものが生活

2006年5月 6日

上部キャンプから、ベースキャンプへ戻ってくるとホッとする。なんだか空気が濃くて美味しいし、仲間が全員そろって食事をするのは楽しい。上部キャンプでは乾燥食品ばかりだから、ベースキャンプでの食事は重要なのだ。そして、ベースキャンプでくつろげないと、上部へ向かうための力を養うことも出来ない。遠征に出掛けるたびに、いかにベースキャンプでの生活を楽しくするか、について頭をひねる。今回、健さんと日本から持ってきたものは、ダイニング・テントに掲げる『お食事処』暖簾。日本に来たこともある、キッチンスタッフのデンディが食事の時間になると、暖簾を掲げて「晩ゴハンですよ~」等と叫んで知らせてくれる。

それから、晴れた日には、シェルパ達が総出でテント周りの融けた雪を整地して、平らな居心地の良いテントを張りなおしてくれる(私はこれを『ガーデニング)と呼んでいる)。これをしないと、強い紫外線によって、テントの下や周りの雪はどんどん融けて、テントが傾いたりゆがんだりしてしまうのだ。

大雪の日には、ひっきりなしの雪かき作業。マナスルの雪は今までに行ったヒマラヤのどの山よりも湿った重い雪で、上越の豪雪地帯ってこんな感じなんだろうな・・・なんて思いながらの雪堀り、雪下ろし。働き者のシェルパ達が勢を出しすぎて、健さんのテントがシャベルの縁で破けてしまった。次の日には、これまた働き者のシェルパ達によって、すっかりブルーシート・テントに様変わり。

そんな事件になっているとは露知らず、健さんとカメラマンの淳君は夜遅くまで、通信テントにて凍えながら原稿を書いたり、映像を編集しているのでした。

なにしろ、このマナスル・ベースキャンプでの一大イベントの一つである、日本との中継を失敗させるわけにもいかないのだ。中継の日には、夜明け前であろうと、大雪であろうと、数時間前から間違えのないように準備を進める。無事、中継が終わればまた雪と戯れて過ごすのだ。

谷口ケイ

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