シェルパ基金

REPORTThhukten Sherpa からの手紙

2004年4月27日

MRTF(Mountaineering Rescue Training Foundation of Nepal)の副会長
Advisory Committee to Himalaya Trustの理事であるThukten Sherpaからの手紙(抜粋)

日本シェルパ基金 野口 健 殿

 1953年、エドモンド・ヒラリー卿は人類で最初に世界最高峰エベレストの頂上に立ち、世界的な名声を得た。それはあたかも女神チョモランマがヒラリー卿の中に、善と他人を助ける力を見たために彼が成功することを許したように見える。1953年のエベレスト遠征隊のシェルパ支援隊への感謝の念を表すために、彼は1960年にヒマラヤ基金を創設してその資金のほとんどを自分で負担し、学校や病院や道路や空港を建ててネパール・ヒマラヤのシェルパ達の生活を改善し、その結果、シェルパ達は地域に訪れた全てのすばやい経済的変化に対応することが出来た。
 女神チョモランマは、野口健に1997年、1998年には頂上を極めることは許さなかった。女神は3度目の挑戦の1999年5月13日になってやっと世界最年少の登山者になることを許したが、それまでにはこれまでの登山隊が残していった膨大な量のごみと排泄物に気がつくこととなっていた。それ以来、野口健はチベット側とネパール側の両方から4回のエベレスト清掃登山を組織し、これらの清掃登山を通じて多くのシェルパ達と共に7トン以上のごみを集めた。
 シェルパ達と長年一緒にいて、彼らと緊密な関係を有する野口健はシェルパ達の生活を改善するために、さらにいくつかのことが成されなければならないことを知った。働けなくなったり、死亡したシェルパの家族や子供達に日本シェルパ基金から資金的援助をして、彼らの生活を助けたいと考えている。その活動としては次のようなことがあげられる。

  • シェルパ登山家の親が援助できない子供達への教育資金的支援をする。
  • 登山中に怪我をして収入を得ることが出来ない老シェルパを援助する。
  • 働けないか、死亡したシェルパ登山家の家族で、生活費を確保するために働くことを希望するものに宿泊事業に関する訓練を与える。
  • 山奥の人に対して奨学金や医療施設を提供する。
  • シェルパ登山家が重病に陥った場合、カトマンズか近くの病院に移送する手配をして彼らの生命を救う。
  • その他、日本シェルパ基金が行いたいシェルパに対する社会事業

 この点に関して、ネパール山岳救助訓練基金(MRTF)は日本シェルパ基金と協力することを同意する。2002年~2004年にはこのプログラムの下で、父親が死んだ9名の子供達の入学が認められた。彼らと家族は全ての施設が揃っているカトマンズで教育を受けられることをとても幸福であると考えており、そのことが彼らの目を開き、広い世界に分け入り、自分自身を教育することを元気付けた。
 尊敬するシェルパ基金の会員の皆様、またその支持者の皆様、自己紹介をさせていただきます。私の名前は、ツクテン・シェルパといいエベレスト地域の山奥のクムジョンに生まれました。私はヒラリー卿が建てたクムジョング学校で中等教育を受けることが出き、幸運にも奨学金を得てカトマンズの高校に行くことが出来ました。私はネパール山岳救助基金の副会長、ヒマラヤ基金アドバイザリ-委員会の理事、ネパール・ヒマラヤ救助協会の理事でもあり、我々の社会で尊敬される立場にあります。ヒマラヤ基金を通じてのヒラリー卿の支援がなかったらクムジョン地域は繁栄できず、我々も専門職につくことも出来ず、今頃は畑で働いているか、ヤクの放牧をしていたはずです。
 私達は、野口健氏および日本シェルパ基金の全ての会員とその支持者に対して、その陰日なたない支援と長期的視野に対して御礼申し上げます。私達はこのプロジェクトを今後長く続けることを切望しております。日本シェルパ基金の目的が、人々の間の善意と協力のよき前例となり世界中の人々を動かすことを願っております。

ツクテン・シェルパ
MRTF副会長、ヒマヤラ基金アドバイザリ委員会理事

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