シェルパ基金

REPORT「シェルパ基金」の設立の経緯および平成14年から16年までの活動報告

2004年4月29日

「シェルパ基金」の設立の経緯

平成 15 年 1 月に「シェルパ基金」がスタートした。 ヒマラヤ登山はシェルパ達の協力・サポートなくしては不可能といってもよい。しかし毎年事故や遭難にあうシェルパも少なくない。その保障やアフターケアーは必ずしも十分とはいえず、父や夫を失った家族の生活は悲惨であり、また長年怪我の後遺症や病気に苦しんでいるシェルパも多い。

もしかしたら、自分たちの夢を実現するためにシェルパ達を犠牲にしてはいなにか、無理・難題を強いてはいないか、シェルパとの共栄共存の道はないのだろうかなどあれこれ思いめぐらす中で、少しずつ「シェルパ基金」の構想がふくらみ、ここにやっと基金としてスタートすることができた。長年の想いを実現することができて素直に嬉しいと感じると同時に、まだまだ緒についたばかりの「シェルパ基金」をしっかりしたものとして継続していかなければならないと決意を新たにしている。

ネパール側の協力者―アンシェリン会長

 シシャパンマに向かうためにカトマンズ入りした野口健と他 2 名はネパール山岳協会のアンシェリン会長を訪れ、「シェルパ基金」についての説明と詳細な打ち合わせを行った。

 アンシェリン会長は、 2000 年から行っているエベレスト清掃活動の最大の理解者であり、協力者である。こちらからヒマラヤ登山隊に協力して遭難・事故にあったシェルパの遺児への育英奨学金を提案し、アンシェリン会長から全面的に協力するとの返事を頂いた。アンシェリン会長の言葉は、今後「シェルパ基金」活動を継続していく上で大変心強く、心より感謝している。

大綱は、(1)ヒマラヤ登山隊などに参加・協力して遭難・事故にあったシェルパの子女に対して育英奨学金を出す。(授業料・寮費等)(2)毎年 3 名程度とし、継続して援助する。(3)援助の期間は Primary School を卒業するまでとする。(4)子女の決定は、ネパール側委員が推薦をして、日本側委員が最終的に決定する、などである。

平成 14 年の活動

 実は、「シェルパ基金」設立に先立ちすでに 2 名の遺児への援助活動を行っている。平成 14 年春、シェルパのチョンリンジが他の登山隊の荷揚げ中に死亡したとの知らせが入った。彼は何回も野口隊のトレッキングやエベレスト清掃登山に参加して、献身的に活動してくれた。彼の死に報いるために何ができるのか、あれこれ考えた末、チョンリンジの遺児のダワ・ラム・シェルパちゃん( 11 歳)とパサン・リンジ・シェルパ君( 10 歳)が学校へ通学できるよう手続きをした。現在二人は元気でマウント・カイライ学校で勉強している。アンシェリン会長との打合せの後、 2 人が在校している学校を見学した。激しい雨の中、ジープは高台を登っていくこと 30 分、あまり大きくはないが清潔で、落着いた雰囲気の学校に到着した。校長先生にお目にかかって学校の教育方針や 2 人の様子などをうかがった後、教室をのぞいてみた。どの教室も子供達がいきいきと授業に取組んでいる。先生の質問に目をきらきら輝かせながら「私を指して!」とばかりにいっせいに手を上げる姿に感動した。授業が終わって、ダワ・ラム・シェルパちゃんとパサン・リンジ・シェルパ君が私達のところに来てくれた。「学校が楽しい」とちょっぴりはにかみながら話す二人を見ながら、チョンリンジを想いだした。

平成 15 年の活動

 昨年の 2 名に加えて、平成 15 年は 4 名の子供達へ援助することができた。ダワ・タシ・シェルパ君( 9 歳)、ニマ・ダマ・シェルパちゃん( 10 歳)、ピュ・タシ・シェルパ君( 8 歳)、ラク・マイヤ・タマンちゃん( 9 歳)である。

 平成 15 年 4 月、エベレスト清掃登山のためにカトマンズ入りした野口健は、 2 日目の夜、新たに入学する 4 名の子供達との食事会を持った。食事会は、「シェルパ基金」のネパール側委員やスタッフや、子供たちが学んでいるマウント・カイライ学校の校長先生はじめ先生方も参加された。

 カチカチに緊張している子供達の顔を眺めながら、責任の重さをひしひしと感じると同時に、時間はかかったが長年のテーマであった「シェルパ基金」を設立することができて本当に良かったとしみじみ感じた。

平成 16 年の活動

 沢山の方々の暖かいご支援や援助をいただいて、これまで 6 名の子供達への育英奨学金を実現することができた。本当に全国のご寄付を寄せてくださった方々に感謝の気持ちで一杯です。平成 16 年 3 月に理事会が開催されて、ネパール側委員が推薦してきた3人の子供達の援助が承認された。

 アング・タルギャル・シェルパ君( 10 歳)、ブルバ・シェルパ君( 10 歳)リタ・ブティ・シェルパちゃん( 10 歳)で、これで 9 名になった。

  早速「シェルパ基金」の窓口責任者であるネパール山岳協会の副会長であるツクテン氏に連絡したところ、同氏から「心より感謝いたします」、「3人の子供達の家族も本当に感謝しています」などのメールが届けられた。また、その内子供達の写真も送ってくることが添えられてあった。

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