清掃活動

REPORT迷いながらの出発

2003年5月10日

 




 強風の影響で予定より長期間のBCステイになり、早く上部での清掃活動を行ないたいとイライラしていた。それにしてもはっきりしない天候に皆が戸惑っていた。悪いなら明らかに悪いほうが諦めがつくのだが、今年はそこがはっきりしない。エベレストのチベット側は被害が大きい。テント135張りが強風により破壊され、また吹き飛ばされたそうだ。登山隊にとっても深刻な問題だが、僕にはその破壊されたテントの大半がゴミと化すことのほうがはるかに恐ろしい。何故ならばもっとも回収しづらいゴミがテントだからだ。昨年も多くの登山隊がテントを放置したまま帰っていった。残されたテントは強風や雪に押しつぶされ雪に埋まり凍りつく。高所で氷付けになってしまったテントを発見し掘り起こす作業がどれほどに困難なことか・・・。一張り掘り出すのにゆうに一時間以上かかる。6000mを越える高所ならばすぐに息が上がり、7000m以上ならば口から心臓が飛び出しそうになる。強風によって吹き飛ばされたならばまだ仕方がないものの、もって下りる負担からか、そのまま放置して帰っていく多くの登山家達に疑問を感じてしまう。そもそもテントは使い捨てではなく、我々登山家にとっての家のはず。そう粗末に扱っていいのだろうか。回収可能な場所で雪に埋まったテントを発見し掘り起こし作業を行なっているときにいつも悲しくなり、また、怒りを感じてしまうのも理解してほしい。

 5月10日、午前4時過ぎに起床するものの雪が降っている。シェルパのニマ・オンチュウと相談しながら5時30分まで様子を見ることにした。幸い、雪は降っているものの、空は明るかった。6時45分、BCを出発しキャンプ2を目指した。恐らく最後となるアイスフォール越え。その一歩一歩に深い意味があり、このエベレストと格闘した7年間を振り返りながら登った。12時ごろ、キャンプ1に到着。驚いたのがあれだけテントで賑わっていたキャンプ1が廃墟のごとく破壊されたテントが寂しげに風にたなびいていた。そして吹き飛ばされたのかそれとも回収されたのか、ペグだけが残されたテント場の跡。それから、キャンプ2を目指すものの 風が止み猛烈に暑く、皆で悲鳴をあげながらただひたすら歩く。感心したのが今回、ヒマラヤ初挑戦の平賀カメラマン。ヘロヘロになりながらも、一生懸命にカメラをまわす。もう少し肩の力を抜いてもいいんじゃないと思うこともあるが、一切の妥協を許さないその姿に僕も少しは見習わなきゃいけないなぁ~と感じていた。

 3時、キャンプ3着。予定より時間がかかった。疲れたものの久々の上部キャンプにうきうきしていた。

 

 

 

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