清掃活動

REPORTロシアンルーレットのアイスフォール越え

2002年5月18日

 


 5月12日、午前6時30分、キャンプ2へ向けてベースキャンプを後にする。何度となく繰り返されてきたアイスフォール越え。でも、今度が最後。ベースキャンプを出発してから2時間ほどたったところで、突然、先を進んでいた村口さんの声が無線に飛び込んできた。
「野口、とれるか! 野口、とれるか!」
緊迫した声に、何事かと思い、
「ハイ、野口です。どうかしました?」
と答える。村口さんの
「無事か!大丈夫か!」
との応答に、
「なにかあったんですか~?」
と聞けば、
「アイスフォールが崩壊した。お前のいる辺りだぞ」
「ハイ、了解しました! 気をつけます」
と取り合えず返事した。それから5分も歩かないうちに、平らだった場所が落ち込み、目の前のルートが無くなっているところに着いた。

 村口さんが慌てていたアイスフォール崩壊の現場であった。あと、5分、早くベースキャンプを出発していたら、氷柱群の下敷きになっていた。

 僕の先を歩いていた韓国隊員の李さんの姿が見えず、無線で
「李さん!李さん!」
と呼んだものの応答がなく、村口さんに
「そちらから李さんの姿が見えますか!確認お願いします!!」
とお願いするが
「李さんの姿は確認できないっ!!」
確認できないまま、悶々と時間が過ぎていく。どれだけ時間がたったのか、
「野口!李さんの姿、確認したぞ!」
と、村口さんの声が無線に飛び込んできた。良かった。肩の力がスーと抜けていくのが分かった。

 後でキャンプ2に着いた時、李さんから聞いた話だが、氷河が崩れる音がしたと同時に李さんは走り出し、李さんの20メートル後ろが爆音と供に崩壊したそうだ。危機一髪、李さんは命拾いした。アイスフォールはよく「ロシアンルーレット・ルート」と呼ばれるがその由縁を痛切に実感した。

 ルートを失った我々はしばらく、アイスフォール工作隊が到着するのを待っていた。およそ、50分ぐらいたっただろうか、突然、ドドドドドーと爆音が響き渡り、前方やや左の壁から雪崩がこちらに向かってくる!
「ここまで、来るか!? 大丈夫か!?」
と声に出してしまったが、なにぶん、アイスフォールの中で走ることもできない。幸い、雪崩は我々の元までやってこなかったが、人生、一寸先は闇だ。

  その夜はキャンプ2でぐっすり眠りこけた。やっぱり、心身ともに疲れ果てていたんだな~

 

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