清掃活動

REPORT日本に残している家族を思う

2001年5月20日

 

奈々とその孫
奈々の孫
「山のデザート」と冗談でドッグフードを指差したらおサルさんは本当に食べてしまった!

朝からぽかぽかで、震えずに朝を迎えることが、これほど幸せなのかと、この気持ちは東京じゃなかなか体験できないな~。

山は苦しいけれども、でも、ちょっとした些細なことでも幸せを感じられるのがなんとも素敵だ。

例えば、帰国すると最初の1ヶ月間はなにもかもが、嬉しい。

例えば、水道をひねればお湯がすぐにでる。これは日本で当たり前でもここヒマラヤじゃありえない。水を作るのにも、氷河の氷を砕きキャンプ用のガスボンベで溶かすのにどれだけ時間がかかるか…。

雪を沢山集めても溶かせばコップ一杯分たらずにしかならない。体を拭くだけの水を作るのに時間と能力をどれだけ要するか…。蛇口をひねるだけでお湯が出る。思わず勝手に流れるお湯に感謝してしまう。電気もそうだ。暖房だって、冷房だってボタン1つだ。ヒマラヤから帰国すればそれら全てに感動する。

文明は凄い。感謝の気持ちが生まれる。しかし、その感謝の気持ちも長続きしない。2ヶ月も経つとお湯も電気もあって当たりまえになる。感謝しなくなる。

そんな自分が嫌になり、また再び無の世界が恋しくなる。そしてヒマラヤへ戻ってしまう。ヒマラヤは私のフィルターかもしれない。気持ちが汚れてくるとヒマラヤで癒される。

私には沢山、家族がいる。2人の娘。そして4人の孫達。サクラに奈々そしてアイ。サクラは2歳のラブラドル犬。色はイエロー。奈々は1歳半の猫。色は薄茶。アイは9歳のみどりガメ。もちろん女の子。

チョモランマ出発直前に、奈々が4人の子を出産した。1年前に近くの畑から突然現れた奈々。それはあまりにも小さく、やせ細り今にも息絶えそうな子猫であった。どれどれと顔を覗いたら、これがまた可愛い。調べたら女の子であった。それならば、我が家の子になるか?と聞けば「ミャー」と泣く。

それから、1年後。まさか、母親になるとは想像もしなかった。気がつけばお隣の家の黒猫と恋仲となり、妊娠。あっという間であった。

避妊手術をしようと獣医に見せたら、すでに妊娠していますよ!と告げられ唖然とした。子供が子を産んでどうするんだと、嘆いたが妊娠した以上はこちらも腹をくくるしかない。そして、チョモランマ出発直前に生まれた。三毛猫1人、黒1人、ママと同じ薄茶が2人。本当に小さい。手の平に4人がスポッと入る。

ラブラドルのサクラはしきりに首を傾げながら不思議そうにその小さな生き物をジーと見つめている。パクッとくわえないようにサクラを近づけないようにするが、どうしても興味があるのか近づいてしまう。カメのアイは全く興味を示さず相変わらずマイペース。

それにしても、生まれたての子猫の手の平はツルツルでピンクで食べたくなるぐらい可愛い。ここチョモランマでも毎日子猫のことが気になる。今どうしてんだろうかと、ついつい衛星電話を手にし面倒を見てもらっている仲間に確認してしまう。
「もう走り回っていますよ!大変ですよ!早く帰ってきてくださいよ!」
と言われてもチョモランマからそう簡単に帰れないよとしか答えようもない。もうすぐ、もうすぐだ!走り回る孫の顔を見れるのも…。

命あふれるあたたかい家に帰れるまで残り10日間。

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